人生ぴよぴよ

メンヘラが社会復帰目指す

オレンジ色の陶酔

昨日実家に戻って来た。実家の前には大きな桜の木と金木犀がある。車を降りると金木犀の香りが広がった。

私は都会の中の田舎で育った。虫や花とは無縁の幼少時代を送ったと思っていたが、色々な花を見て触っては「ベタベタする」と母に泣きついていた。名前やその生態について知らなくても日常のワンシーンに溶け込んでいたのだ。金木犀と桜は特に私の生活に根付いていた。

 

将来のことはおろか、一ヶ月先のこともよく分からない。お風呂に入って久しぶりに湯船に浸かりながら(普段はシャワーで済ませている)、涙が止まらなくなった。ふあんなことはたくさんあるけれどお腹は空くし、観たい映画や読みたい本がたくさんある。気になる新ドラマも。便利な世の中に流され続け、情報に翻弄されて生きていると思っていた。しかし金木犀の香りによって昔の記憶を呼び起こすこともあれば桜が恋しくなることもある。こんなに情報に溢れた世界でも虫や花を愛でることは可能だ。

 

好きなものを好きなだけ、贅沢に生きていきたい。