人生ぴよぴよ

メンヘラが社会復帰目指す

春のはじめの女の朝寝

世の中の女性はキラキラしている人が多い。細くて脚が長くて流行りの服を着ていて化粧品をたくさん持っている。雑誌やテレビにしか存在しなかったきらびやかな世界がtwitterInstagramにも広がっている。

私は女としてこの世に生を受けて24年になるが、なんとなくそういうものとは距離を置いてしまう。春夏秋冬と季節に合わせて変化する化粧品やスキンケアの方法、そして洋服、同じような洋服を昨年購入したような気がしながらも袖が違うだのファーがついてるだの丈が短いだのと理由をつけて今年も購入する。来年も同じようなことを繰り返すのだろう。

化粧品だって同じだ。ラメの大きさ、微妙な色の違い、艶? マット? セミマット? 私は何も違いが分からない。

それでも私は買わずにいられないし、追わずにいられない。鏡の前で私は様々な化粧品のなかから一つを選び出し、これだ! と思いながら顔にのせる。たしかに私の顔にぴったりと合う。

友人は私に会うとすぐに「リップかわいいね!」と褒めてくれる。みんなよく気づくと思う。そういうことをよく拾える友人たちはかわいいし、羨ましい。食事のあと、化粧直しをする友人の手元を見ながら私も言う。「それ新作? 売り切れなんでしょ、よく買えたね」。新作コスメまとめみたいなサイトで見た写真と照らし合わせる。そのためだけに見ている。答え合わせだ。

普段は化粧もおしゃれも大して興味がない。それでも数ヶ月に一度、自分は女だったと思い出しては化粧品や服を買い漁る、そうしてやっと私は並みの容姿を保っていると思う。こんなことを一年中続けていては財布より先に精神が崩壊する。

 

こうして足並みを揃えて生きていく。抜け出したいとは思わない。ジレンマなんて抱えていない。長い愚痴です。